腸から始まる脳の健康 | ドクター・ギブソンのブログ - ネオセルプラス|脳への必須栄養素ト

腸から始まる脳の健康 | ドクター・ギブソンのブログ

腸内細菌の微生物叢(ビセイブツソウ)*は、
私たちがどのように考え、感じるかを左右する
重要な役割を果たします。
あなたの腸の健康は、
あなたの脳の健康、幸福、
そして長生きできるかどうかを決定します。

腸内細菌が人の健康に影響することは
誰もが知っており、
多くの人々はそれがアレルギー、
消化、免疫機能に影響を与えることも分かっていますが、
私は今回まだ広く理解されていないことについて
お知らせしたいと思います。

神経学者でありまた科学者として、
私は長年微生物が
人間の脳にも影響を与えることを観察してきました。
腸と脳とのつながりは強く、
私たちの精神的健康と寿命は、
活気に満ちた多様な微生物叢により決定されています。

*微生物叢
人体に生息する細菌の集まりを意味します。
私たちの体には約100兆個の細菌や
その他の微生物が生息しています。
私たちはこの膨大な微生物群に依存して生きています。
微生物叢は私たちを病原菌から守り、
食品をビタミン、酵素、脳の化学物質などの
利用可能な分子に再構成しています。
私はようやくこの話題に
関心が向き始めたことを嬉しく思っています。
この知識が有効に活用できるようになるまでには
長い時間と多くの労力が必要でした。
長い間の研究により、
私たちの微生物叢には
数千種類の細菌がいることが分かりました。
これらの細胞数は
我々の人間の持つ細胞よりも多いのです。
そしてプロバイオティクス(体に有益な細菌、善玉菌)が
適切に混在すると、
不安、自閉症、うつ病、その他の脳の問題の解決に
重要な役割を果たすことが明らかになりました。
自閉症患者と腸内細菌についての関係は、
最初に私の興味を引いたテーマです。
長年、ASD(自閉スペクトラム症)患者は
胃腸の問題にも苦しんでいることを
医師や親も知っていましたが、
それでも腸内微生物と
自閉症との潜在的な関係を調査するまでには
時間がかかりました。

自閉症児の母親から
これについて研究をしてくれと
初めて懇願されたのは20年前でした。
研究したところ我々は、
自閉症者の腸内環境の微生物叢が
健康な人と大きく異なることを発見しました。
幼少からのワクチン、抗生物質、悪い食生活、
および合成食品添加物は
正常な腸の細菌を破壊します。
その結果として生じる悪性の腸内細菌は、
着実に脳を冒して行きます。

そして欠損している特定の細菌が与えられたとき、
患者は不安がなくなり、
よりコミュニケーションが取れるようになり、
反復性行動が少なくなりました。
良い細菌は症状をすぐに改善しましたが
解毒および脳の栄養と組み合わせると、
結果は劇的なものでした。
これにより、特定のプロバイオティクスを用いて
あらゆるタイプの神経学的疾患を
治療できる可能性が明らかになったのです。

その後、多発性硬化症の患者を治療している間に、
私は外的な症状や運動機能に
目に見える改善が見られる前に、
不安とうつ症状が改善することに気づきました。
また、全体的な脳の機能にも改善を示しました。
私たちが与えた細菌は、
セロトニンやドーパミンのような
幸福ホルモンと言われる
神経伝達物質の産生を助けていました。
しかし、その反対も起こりうるということを
覚えておいてください。
ある特定の細菌を増やすと、
不安やうつが増します。
さらに別のある細菌は記憶、認知、
免疫機能および睡眠に影響を与えますが、
これも色々な細菌を変えることで
制御できる多くの変化のほんの一部に過ぎません。

消化管を治療するための一般的な方法のひとつは、
良い細菌を分離して培養し、
それらをプロバイオティクスヨーグルト、
飲料やサプリメントに使用することです。
より高い濃度にすることで改善が見られましたが、
これだけではなく
今私が患者に使用している次のような方法や
知識も加えることが大切です。

1.
私たちが腸内で作り出す環境は、
小さな市民である細菌のための住処です。
漏れのある傷ついた腸(リーキーガット)を修復するには、
コラーゲンを食生活に取り入れることが大切で、
それがないと改善は難しくなります。
骨から取ったスープやその粉末スープは、
この問題を改善するための優れた方法です。

2.
良い細菌は、抗生物質やワクチンのような
プロバイオティクスを殺す薬により減少します。
また、加工食品やパッケージされた食品に含まれる
多くの化学物質も同じ働きをします。

3.
「良い犬と悪い犬が私たちの中でけんかをしています。
私たちがいつも食事を与えているほうが勝ちそうです。」
という言葉があります。
つまり、あなたが食べるものが
微生物叢を養っていますので、
砂糖やジャンクフードのような食品を摂れば
有害な細菌(悪い犬)に栄養を与え腸内の環境を悪化させます。

良い細菌(プロバイオティクス=良い犬)に
栄養を与える食品は
プレバイオティクスと呼ばれていますが、
プレバイオティクスには
新鮮な緑の野菜とその他様々な色の野菜が最適です。

4.
水を循環させることは大切です。
庭の草花のように、
微生物叢はきれいな水がたくさん必要です。
水はまた、生物学的活性から生まれる
毒素および廃棄物を排出するのに役立ちます。

5.
思考、感情および身体活動によって
生み出される化学的環境も、
腸の血液および神経の健康に影響を及ぼします。
ネガティブな思考、ストレス、睡眠不足、運動不足は
すべて腸に損傷を与えます。
脳を鍛え、十分な睡眠を摂り
運動をしてすべての面を良くしましょう。
思考も感情も、
実際にすべて体内の化学物質に
影響されていることを忘れないでください。

6.
さまざまな生の野菜を発酵させたものが
細菌にとって最高の食べものです。
細菌叢には細菌が多いことが大事なだけではなく、
多様性が必要です。
生のキムチは
同じ量のヨーグルトより10万倍の細菌と、
4000種類以上の異なる土壌有機体が含まれています。
この細菌叢の多様性は
特定の分子または特定の栄養素を守り、
また作り出すために各株が特殊化されているため
非常に重要になります。
私たちの胃は、
食品を小さなレゴブロックのようにごく小さく分解し、
これらのレゴは原料として腸に届けられます。
各タイプの細菌は、これらの食品レゴを取り、
それらを利用して
使用可能な有用分子にすることができます。
微生物叢の多様性があり、
またそれが健康なものであればあるほど、
特殊で有用な分子が供給できます。

腸が健康でないと細菌叢は人口が減り、
犯罪多発地域に変わります。
これらの悪玉菌と呼ばれる細菌の一部は、
活力のある微生物叢の一部である場合には
有用かもしれませんが、
増えすぎると有害になる可能性があります。

健康は偶然手に入るものではなく、
自分の意志で健康になるものなのです。